梅酒メーカーの新たな価値を創出するVI開発
CLIENT : チョーヤ梅酒株式会社- ブランディング
- ロゴ制作


OVERVIEW プロジェクト概要
チョーヤ梅酒株式会社様のVI開発をコンペティションにより獲得。企業の独自性や特色、ブランドの持つ価値観をVIを通して視覚的に表現することで、“新しいチョーヤ”を印象付けるロゴマークを作成しました。
POINT プロジェクトのポイント
- じっくりと時間かけ、デザインを突き詰めて企業戦略の軸となるVIを開発。
- 国内外の多様な商品パッケージにも使用されることを考慮し一貫性を実現。
プロジェクト担当者 大阪本社 T.Mさん
中途採用で入社し、食品メーカー・団体・通信会社・協同組合・
建設会社等のスポンサーを中心に15年ほど営業として担当し、
その後営業部門のマネジメントとして10年以上従事している。
食品メーカー・通信会社・協同組合では企業ロゴの制作や新商品開発にも携わる。
視覚的な印象を統一し、ブランドのイメージアップへ
- ──企業の顔となるVI(ビジュアルアイデンティティ)ですが、コンペということで注力した点はありますか?
- オリエン時は、「蝶マーク」「CHOYA」「梅酒」という3つの要素を一つにまとめたものがチョーヤさんからの希望でした。さらに、背景に梅酒の文字の見え方のイメージなど、明確な指定があったので、まずは、この3つの要素をしっかり組み込みながら、イメージに沿ったデザインを提案し、プラスα違うパターンも加えて提案することを前提に進めました。同時にVIコンセプトやパッケージへの展開もしっかりと作り込み、おかげさまで受注することができました。
- ──具体的にどのような考え方・組み立て方でVIを提案されたのでしょうか?
- まずは、CI活動の背景やCI変更内容の推移など、VIを含むCIの動向をデータとともに簡単にまとめ、酒類業界における他社VIの分析を通して、“創造すべきVIの価値”を整理しました。そのポイントは3つあり、「健やかでリラックス感のある商品性」「変わらないおいしさと品質へのこだわり」「伝統的な日本のお酒としての梅酒」で、それぞれを「蝶マーク」「CHOYA」「梅酒」の3要素に落とし込んでデザインするというロジックです。さらにシンボルとして目立つ蝶を強調、ジャパンブランドとしての漢字を強調する方向性でデザイン展開しました。
- ──デザインを進める上での課題や、クライアント様からのご要望はありましたか?
- ご要望であり、また課題でもあったのは、商品アイテムごとに分散しているロゴマークを国内外合わせて統一することと、他社と混同されることのない揺るぎないCHOYAブランドの確立を目指すことでした。特にチョーヤさんの場合はグローバルな展開もされているので、海外でも通用するVIのクオリティが求められます。オリジナリティという点はもちろん、商品パッケージに落とし込んだ時の印象や視認性も非常に重要なってくるので、そこは意識していました。
- ──提案時の要素と現行のデザインには違いがあると思いますが、どうしてですか?
- 完成まで約2年弱かかりました。何度も打ち合わせを重ね、修正・パターン展開・ブラッシュアップを繰り返し、絞り込んではパッケージでの見え方を検証し、かなりのデザイン数と細かな調整を経て、最終的には当初の「蝶マーク」「梅酒」という要素を省く方向で落ち着きました。これには、長くやり取りを続ける中で新たに生まれた、「チョーヤ梅酒」という社名にある「チョーヤ」と「梅酒」の2つの意味を集約し、シンボライズしたいというチョーヤさんの意向があったからです。デザインを仕上げていく中では、特に担当者さんに助けていただきました。一緒に作った感がありますね。
- ──完成したVIに関して、特にこだわったポイント等があれば教えていただけますか?
- デザイン的には次の3点を守って進めました。①シンボルマークとロゴタイプが分散しないように一体化させる。②センターからシンメトリックにバランスよくデザインする。③ベーシックで普遍性のあるデザインとする。そして出来上がったのが現行のVIです。CHOYAの「O」を梅の実に見立て、食文化としての梅酒の伝統性と、梅酒の持つすこやかさやリラックス感を、シンプルかつしなやかに表現しています。「CHOYA」というロゴタイプだけで表すことで、「梅酒」ではなく「CHOYA」で売っていきたいという企業姿勢をアピールすることにもつながっていったと思っています。